【解説】WBC 準々決勝で対戦「ダークホース」イタリアとは 東京ドームで“夢の投手リレー”可能性も?

【解説】WBC  準々決勝で対戦「ダークホース」イタリアとは  東京ドームで“夢の投手リレー”可能性も?

野球の世界一決定戦WBC(=ワールド・ベースボール・クラシック)で日本代表・侍ジャパンは12日夜、オーストラリア戦に勝利し、1次ラウンドを全勝で1位通過しました。2009年以来3大会ぶりの世界一を目指し、準々決勝ではイタリアと対戦します。

●“侍”驚異の打率
●大谷選手と同僚対決
●夢の投手リレーも?

以上のポイントを中心に詳しく解説します。

■1次ラウンド“全勝突破”侍ジャパン 驚異の打率・出塁率
日本は1次ラウンドのプールBを、中国、チェコ、韓国、そして12日夜のオーストラリア戦に勝利し、4戦全勝で1位通過。準々決勝に進出しました。12日夜、大谷翔平選手はWBC初のホームランを、ヌートバー選手は3試合連続のタイムリーヒットを打ちました。

日本の強さの理由は、打率などの数字にあります。

今大会、4試合の打順はすべて固定され、1番ヌートバー選手、2番近藤健介選手、3番大谷選手となっています。この3人全員が、打率4割を超えています。大谷選手にいたっては5割です。普通、打率は3割、つまり3回に1回のヒットで優秀とされるところを、4割超える選手が3人並ぶのは、短期決戦とはいえすごいことです。

さらに、フォアボールとデッドボールも含めた「出塁率」は、ヌートバー選手が6割近く、近藤選手は6割、大谷選手は7割近くです。

【ヌートバー選手 近藤健介選手 大谷翔平選手 打率.429 .467 .500 出塁率.579 .600 .684】

■準々決勝の相手はイタリア 大谷選手の同僚メジャーリーガーも
準々決勝の相手は、プールAを2位で通過したイタリア代表で、16日に東京ドームで対戦します。イタリア代表の強さはどれほどのものなのでしょうか。

1つの指標である世界ランキングでは、イタリアは16位で、日本は1位となっています。ただ、イタリアは、プールAの「ダークホース」とも言われています。

プールAではなんと、すべてのチームが2勝2敗で並ぶという大変珍しい混戦となりました。このように勝率が並んだ場合は、相手チームに与えた点数をもとに計算した「失点率」を比べて、低い順に順位を決めることになっています。この基準で、イタリアは見事、1次ラウンドを突破しました。

どのようなチームか紹介していきます。監督のマイク・ピアザ氏は現役時代、メジャーリーグのドジャースにも在籍し、当時の野茂英雄投手とバッテリーを組んだこともあり、日本の野球ファンにもなじみが深いです。打者としても優秀でした。メジャー屈指の強打を誇るキャッチャーとして活躍し、通算427本塁打を記録しています。
チームは、イタリア系アメリカ選手を中心に構成されていて、メジャーリーグで活躍する選手もいます。中でも注目は、エンゼルスで大谷選手とチームメートのデービッド・フレッチャー選手です。大谷選手と同じ1994年生まれの28歳で、メジャーデビューも同じ年です。2020年にはア・リーグ3位の打率.319を記録している実力を持っています。大谷選手との同僚対決も楽しみになるところです。

世界ランキングでは日本より多少“格下”であり、戦力で見ても“順当にいけば勝てる相手”とみる向きが多いです。ただ、フレッチャー選手のように、油断してはいけない選手が数人います。

■世界一まで3試合 選手の起用は… 東京ドームで“夢の投手リレー”可能性も?
このまま勝ち進めば、世界一まで後3試合です。今後、侍ジャパンはどのように選手を起用していくのか、特に気になる投手について、打撃も好調な大谷選手のピッチングをどの試合で見られるのでしょうか。

これまでの4試合を振り返ると、先発は9日の中国戦は大谷選手、10日の韓国戦はダルビッシュ投手、11日のチェコ戦は佐々木朗希投手、12日のオーストラリア戦は山本由伸投手の順で登板していました。16日の準々決勝の先発は大谷選手となるのが順当です。初戦9日の登板から中6日ですが、大谷選手は打者としても試合に出ているので、他の投手と比べての疲労度も考慮される可能性があります。

16日の先発のマウンドに立つのは大谷選手ではないかと予想される中、ダルビッシュ投手が気になるツイートをしました。

ダルビッシュ投手のツイッター(11日)より
「まだ日本では後1試合は投げる可能性があるので、次の試合でやりたい事を明確にして次の数日を過ごしたいと思います」

「日本での試合」は16日の東京ドームにおける試合しかないので、そこで投げるのかなと思わせる内容です。とはいえ、大谷選手が次に投げるのが仮に準決勝となるとあまりに先なので、東京ドームで投げるのではないかと予想されます。そうなると、16日に東京ドームで大谷・ダルビッシュ投手の夢の投手リレーが実現することも考えられます。

1次ラウンドと異なり、今度はトーナメントです。そのため、準々決勝はこの2人を投入するぜいたくな必勝態勢でとにかく勝ち上がり、22日にアメリカ・マイアミで迎える決勝で先発が大谷選手となることもあり得ます。

「決勝のマウンドを大谷選手に託す」というファンの夢や希望を実現するならこのように予想されます。今後、メジャーリーグのチーム事情などもあるかもしれないので、どうなるかわかりませんが、WBCでのさらなる活躍を期待します。
(2023年3月13日放送「news every.」より)

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